シリアの基地に米ミサイル

ヘイリー米国連大使が主張する、トランプ政権の理窟はこうだ。
「アサドは、前にも、自国民に化学兵器を使った」「その時使われたのと同じ機種の航空機が4月4日の攻撃時にシリア空軍基地から被害地域の近くまで飛んだ」
早い話が、?アサドは前科者である、?前科者が前に凶器を運搬した乗物と同型の物が移動した日に、人が殺された。?と?から、犯人はアサドである。そして、同じ凶器による犯行が広がらないよう、基地に警告なくミサイルをぶち込むことは、正当な防衛の範囲である、という論理だ。
これは、状況証拠だけで犯人を決めつけて構わない、その領域に先制攻撃をしても構わない、という主張に他ならない。
最も冤罪を生みやすいこういう構図と単独行動とを正しいものとし「権利を行使しただけだ」と豪語するからには、北朝鮮が、世界でアメリカがやっていることに対し「我が国への脅威」だと理由づけて挑発行為に出るくらいは可愛いもの、ということになってしまわないか?
私は、北朝鮮の軍事示威を認めない。したがって、トランプの今度の行為も認めない。たとえ、のちの調査で、アサドが化学兵器を4日に使ったことが証明されたとしても、である!
第一、これによって、シリア内部のパワーバランスが内戦時代に逆戻りすれば、イスラム過激派を利するだけであり、そのほうがはるかに「米国の安全保障に反する」ではないか?
トランプが、選挙前に言っていた「ロシアと協力し、IS殲滅を優先する」という公約への違反でさえある。
「この公約を最優先で実行するだろう」と予測していた私は、ここまでトランプが狂っているとは予測しきれなかった。
そんな狂気の沙汰をヌケヌケと真っ先に支持する安倍晋三もまた、ここまで恥さらしとは、・・・・いやまあ、こっちは想定の範囲内だったがな。