韓国証券市場を英国企業が格上げ

 英国のFTSE(“Financial Times”と、ロンドン証券取引所との合弁企業)による「グローバル株式指数シリーズ」国別分類審査という、証券市場に対する格付けがある。上から、
Developed
Advanced Emerging
Emerging
Frontier
の4つのレベルが設定されていて、格がいちばん上の Developed(先進市場)は、現在世界で24ヵ国。

 もう旧聞に属するが、韓国証券市場が2009年9月18日をもってAdvanced Emerging市場から、Developed市場に格上げされることが(たしか)半年ほど前に発表された。今回の格上げの理由としては韓国側が規制を変更したことが大きいという。

思えば韓国は、1996年にOECD入りし、先進国の仲間入りを果たしたと喜んだのもつかの間、翌97年に通貨危機IMFの支援を受けざるを得なくなり、韓国人の「自尊心」はいたく傷ついたのだった。いわば不良債務国とみなされたわけだ。今回、あのときの通貨危機の規模をはるかに上回る、世に言う“100年に一度の危機”の最中に、金融の中心ロンドンから、「先進国レベルと認めるよ」とメッセージが届いたわけだ。

その一方で、韓国が債権国から純債務国へと8年ぶりに転落することも、上の発表とほぼ同時期に明らかになった。貿易黒字から赤字になった程度でニュースになる日本と比べると、だいぶ凋落の度合いが違うのだろう。


 で、つい12年前と比べてしまうのだが、IMFの時は報道番組でなくテレビドラマやスポーツ中継などの放送中にさえ、テレビ画面の右下に「IMF・脱出」と字幕が絶えず挿入されていて、国民挙げて汚名雪辱に死に物狂いだったのが伺えた。

今年はじめに韓国へ行った時も、毎日のニュース番組は、失職者増加の問題で持ち切りだったが、それでも、1997年に訪韓した時の深刻さに比べれば、今ははるかに余裕があるように思える。少なくとも、「国の恥」「自尊心の危機」という悲壮感はないように感じられた。いま大変なのは우리나라(わが国)だけではないからな、と腹をくくっているのかもしれない。


 それにしても、今年も丑年。IMF危機の97年も丑年。中東危機に端を発する石油ショックが世界を見舞ったの1973年も丑年。朝鮮戦争が勃発する前年の,きな臭い1949年も丑年。何のアノマリーか知らんが、どうも소띠はロクなことが起こらない干支のようだ。