束草の、素朴な渡し舟


こっちの岸と向こう岸の間に、ロープが張られている。ロープは船の甲板を貫いている。舟は動力を持たず、係員がそのロープを人力でたぐる。その反作用で舟はゆっくり進む。櫓を操るわざも要らず、化石燃料も使わない。
岸と岸は、泳いでもじゅうぶん渡れる距離。

江原道の束草は、雪岳山など近郊の行楽地への拠点として、近年躍進してきたが、この街自体には、この渡し舟と、魚市場くらいしか見所がない。
現在、架橋工事中で、この渡し舟もあと何年の寿命やら。