読書

『凍』

沢木耕太郎著『凍』を読了。 初出誌に発表されたのは2005年だが、去年、改題されて新潮文庫化。本の残りページがだんだん少なくなっていくことが惜しい、と感じながら読んだ。読書をしていて、この感じを持つのは本当に久しぶりだった。 『テロルの決算』も…

文豪の記した昭和初期のロシア

正宗白鳥という作家は今ではあまり知られていないようだが明治から昭和にかけて活躍した作家である。 私は、彼の初期の小説『何処へ』を二十歳代のころ読んだきりで、それもさほど印象に残っていなかったのだが、ついこの間、彼の書いた旅行記を図書館で見つ…