インドネシア旅行'08−バリでの1泊目

日本を出たのは11月15日(土)。
台北乗り継ぎで、バリ島のデンパサール空港へ着いたのが午前2時頃。
空港内のホテル予約カウンターは営業時間が終わっている。公衆電話からお目当てのホテルへ電話して、空き状況を尋ねると「Full」との返事。クタ地区へ直接行ってしまえば、予約なしでも空いてる宿のひとつくらいあるだろうと踏む。
タクシーの運転手がすり寄って来る。へたに曖昧な行き先を告げると、運転者とつるんだ宿へ連れて行かれる恐れがある。とりあえずバクンサリ通りにあるKendi Masという宿へと告げる。運賃は交渉の末5万ルピア。タクシーチケットを買えばもう少し安いはずだが、チケットカウンターも閉まっている時間なので仕方ない。
Hotel Kendi Masは、道から奥まった所にあって静か。すでに3時を回っていて、朝まで4時間ほどしか寝られないから、一番安い10万ルピアの部屋でいい。エアコンなし、ホットシャワーなし。税金を足すと11万5千ルピア。日本円で約980円である。
ところが、この部屋、入室してみるとトイレの電球が切れていて、点かない。部屋を換えさせるとますます寝る時間がなくなるので、持参の懐中電灯を使って我慢する。
翌朝8時ごろ、まだボーっとした頭で窓から中庭を眺めていると、ルームメイドらしい服の女が、こちらを外から覗きこんでいる。マジックミラーのようなガラスになっていて、向こうからは中がよく見えない。すると、がちゃがちゃと合鍵を使って、錠を開けだした。ノックもしなければ、声を掛けもしない。女がドアを3分の1くらい開けた時点で、内側から渾身の力を込めて閉めてやった。ドアにひたいでもぶつけやがれと思ったのだが、そうはならなかった。それでも、相当驚いたようで、こちらが「何だ!」と日本語で叫ぶと「アイムソーリ〜」とか言いながら逃げるように退散した。こういうのはよくある、と『地球の歩き方』にはあるが、自分は初めて。

インドネシアのホテルはたいてい朝食つきである。ここも、コンチネンタル風の簡単な朝食が出る。ダイニングの女性の「コーヒーか紅茶か」の問いに「紅茶」とこたえ、待つと、持ってきたのはコーヒーだった。別にコーヒーが飲めないわけではないので、淹れなおさせずに許す。ポットにたっぷり一杯のコーヒーが無駄にされるのを潔しとしなかったから。しかし、「これで、{電球、侵入メイド、コーヒー}で、マイナス3ポイント」と、頭の中で評価を下す。
インドネシアは5回目だが、ここが、今までのところ、サービス最劣の宿だな、と思いながらパンとオムレツを食い、コーヒーを飲む。
バリに行かれる方には、Hotel Kendi Masはお勧めしない。(もとより、高級リゾートホテルにしか泊まらない方には無縁の話だが)

クタになど何の用もないし、テロの多い地域(ここの近所に、ディスコ爆破事件の慰霊碑があるという)なので、早々にチェックアウトし、クタを去る。