「身につまされる」

トヨタ豊田章男氏(53歳)のせりふ.

発話場面は、トヨタがF1(フォーミュラ・ワン)レースから撤退するに当たっての、記者会見。
テレビでの会見を聞いただけなので、正確な引用はできないが、
「2002年以来参戦してきたが、今季を限りに撤退せざるをえなくなり、身につまされる思いでございます」
といった主旨だった。前後の部分は引用者が要約しているが、「身につまされる」という言葉が用いられたことだけは、間違いない。
「身につまされる」という句は、
「ひとごとながら、(自分の身に引き寄せて考えると)、我が事のごとくにひしひしと感じられる様である」
という意味。
仮にも企業の経営責任者が、その会社の方針に関して、不本意ながらも“選択と集中”とやらを決断し、それを天下に発表する際の所感を示す言葉としては、全くもって不適切。
多分、豊田社長は「身の細る思い」とでも言いたかったのでしょう。
これだから、今どきの高齢者(というには、まだお若いほうだが)の日本語はなぁ!