グローバルな分裂

コペンハーゲンで開かれていたCOP10が、竜頭蛇尾に終わった。
京都プロトコルに匹敵する新しいフレームに至らなかったことに関して、「地球規模の問題に、国の都合なんか持ち出して、新たな“南北問題”」にしてしまうとは、人類はなんと愚かなんだ」といった論調がほとんどのようだ。
筆者もそのとおりだと思う。しかし、そう思うと同時に、地球規模の、全人類の生存に等しく直にかかわる問題だからこそ、途上国もここまでツッぱれるんだろうなと思う。
難民だの軍事だの通貨だの貿易だのといった従来の国際条約が取り決めてきたような諸問題では、たいてい大国の論理で動いていたように思える。温暖化問題も大国に振り回されている構図は基本的には変わらずあるものの、小国もそうそうは振り回されっぱなしではなくなりつつあるようにもみえる。
そして、「途上国」といわれる国の間にも、異なる立場がいろいろあって、それらをひとくくりにするのが間違いであることも明白になった。最大のCO2排出国・中国が、途上国の代表ヅラをして、閉会後は喜色満面だったが、中国の論理もツバルなど国土自体の存亡の危機に瀕する国には説得力がないことも、誰にもわかりやすい構図として浮き彫りになった。
せめてそんなことに意義を見出すほかないような情けない結末だったという言い方もできようが、ここまで問題が大きすぎると、そう簡単に有効な方策に向けて世界中が歩みを揃えるとは、初めから期待していない。

一方で前(12/3)に書いたような、温暖化人為説への疑惑も根強くあるが、極地の氷や、氷河が減少していることも事実。
個人的には、米国や中国のムシのいい言い分を非難する途上国のほうに若干、より肩入れしたい気がする。