今月の快挙2つ

6月が終わる。この一月で最も話題になったニュースといえば、W杯南ア大会での日本代表の決勝リーグ進出と、探査機はやぶさの帰還。この2つに尽きるだろう。少なくとも、グッドニュースに限れば。

そしてこの2つは、共通点がある。サッカーも宇宙技術も、ともに、日本の苦手な領域だと長く思われていた点だ。
日本は、野球に比べて、サッカーの歴史は浅く後進国だった。今でもそうだろう。
ロケット技術も、失敗が多く、せいぜい地球周回衛星を飛ばすくらいで、米ソ(後に米ロ)にはとても及ばないとされていたし、航空旅客機さえ、YSが退役後、国産機はほとんど造られておらず(他国のメーカーに部品は供給しているが)、文字通り鳴かず飛ばずトランジスター以来、小さいものに高い機能を詰め込むのはお家芸だが、でかい物を造るのは向かないのでは、などと言われていた。

それがここへ来て、一気に世界を驚かせた。
サッカーに関しては、世界レベルまでには課題も多いものの、強くなってきているのは確実だ。デンマークを文句ない点差で下したことで明白になったし、対パラグアイ戦も8強の値打ちがある惜敗と報じた外国紙もあった。
船体を回収しないでただ遠くへ飛ばすのであれば、すでに海王星を通過したアメリカのボイジャーにはかなわないが、星に着陸させたあと地球へ帰還させるという、微妙なコントロール技術では、日本が小惑星への往復を成功させた初めての国と刻まれたわけだ。星の砂という「土産」にこだわったのも日本人らしい。

日本のサッカーは、チームワークでは引けをとらないけれどスピードで劣る、と聞くがそれならば、はやぶさをヒントに微妙な技術、例えば、魔球のような変化をするヘディングを開発できないのか。これは単なる思い付きだが、既存の尺度での競争をせず、違う尺度で勝つ、というのは、日本人が意識的もしくは無意識にさまざまなジャンルでとってきた戦法であろう。

あまりナショナリテスィックな言は慎みたいが、ここはあえて、世界に向かって「日本チーム4年会わざれば刮目して見よ」と、調子に乗っておこう。


日本代表チームも、JAXAはやぶさチームも、お疲れ様。忘れられない2010年6月でした。