仁川を歩く

仁川の空港は何度も利用しているが仁川市の市街を訪れたのは初めて。
といっても観光資源は多くなく、案内書にまず挙げられるのが월미도〔月美島〕。遊園地とシーフード・レストラン街のある、ファミリー向けの日帰りレジャーエリアという感じ。모텔(モーテル)が何軒かあるが、観光ホテルと呼べるものはほとんどない。

その月美島から歩いて、10分くらいの所に、「移民博物館」というテーマ・ミュージアムがある。
ハワイでサトウキビ農家が人手不足になったのをきっかけに、この近くの港から、朝鮮人移民がハワイに向けて発っていった。その後、移民は何次にもわたって続き、ハワイだけでなくアメリカ大陸にも相当数が移っていった。その移民たちの生活の様子を解説する展示物が見られる。

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月美島をあとにして鉄道の終点「仁川」駅の方へ行くと、丘の上の公園に、↓の写真のような、あるアメリカ人の像が建っている。


▲インチョンの「メガド」像

メガドとは、맥아더、すなわち、日本式に発音すると(ダグラス)マッカーサーである。
朝鮮戦争時、The Battle of Incheon仁川上陸作戦(1950年9月)を指揮した将軍は、いっとき陥落したソウル近辺を取り返し、共和国軍を北へ押し返した立役者なのだ。
敗戦日本における占領の象徴たるジェネラル「マッカーサー」と、その数年後再び東アジアに現れた「メガド」とでは、その印象や評価が、その名前の韓国語式発音と日本語式発音の訛りの違いの大きさに劣らず、全く異なっていることをこの銅像が示しているようだ。