慎太郎の最大の被害者

石原伸晃脱原発の動きを指して「集団ヒステリー」と表現したが、私は驚かない。
福島と周辺の被災者たちの不安や無念、そしてそれへの共感、“明日はわがまちの原発死の灰を撒き散らすのではないか”という世界の人々の危惧、そういったことへの理解力を、石原慎太郎の息子が持ち合わせているはずがないからだ。“文明のあり方は国民一人一人が決めよう”というヨーロッパ諸国の動きに対し、あの、本田勝一氏によっていみじくも「矮小ファシスト」と名づけられた男に生み育てられてしまった人間が、共鳴するはずがないからだ。
大震災や津波を「日本人の我欲に対する天罰」と言い放つ人間の価値観を受け継ぎ、二世議員をやっているような手合いである。
弱者を傷つける言行を繰り返すことで自我をかろうじて保っているような売文屋くずれの政治屋が生んだ、一番の「被害者」は、自分では親を選べない子供であるのだから、せいぜい憐れんでやろうと思う。