韓国 忠州

忠清北道に「忠州」という市がある。高麗時代からの地名であり、「忠清道」の道名もこの名から来ているくらいだから由緒ある所だが、道庁所在地も清州にもっていかれ、現在は人口も20万ほどの小都市にすぎない。おそらく、旅行で訪れる外国人も多くはないだろう。ガイドブックにも載っていない。

いくつかの見所は、가금〔加金〕という地区に集中している。
その1つが、↓の「중앙탑〔中央塔〕」(国宝第6号)。

8世紀の建立と伝える。新羅時代の石塔の中では、現存する最も高い塔。
半島のほぼ真ん中に位置するのでこの名がある。



もう1つは、世界の酒博物館

展示(といっても、酒の薀蓄としてはありきたりの内容。むしろコレクションの色彩が濃い)を見るだけなら無料。2階の試飲コーナーは有料。


また、この近くに忠州博物館があるが、規模は小さい(無料)。
お約束の民俗資料や考古学的出土物がいくらか並んでいる位だが、その中で目を引くのは、チンギスハーンの蒙古が侵略してきたときに、忠州が“レジスタンスの中心地”の1つであったことに関する展示。イラストとともに、他の展示に比して異様にアンバランスな詳しさで、説明されている。
その後、抗しきれずに蒙古の手先となって日本に2度侵略を試み、失敗に終わったことは触れていない。