晋三調 全開

安倍首相の「今ある秘密の範囲が広がることはない」にはあいた口が塞がらなかった。「スパイ天国の汚名返上や、米国から情報をもらう」のはやめたのか、と考えてふと気づいた。そうだ、首相は「福島の汚染水は完全にコントロールされている」と世界中の人の前で言える舌を持つ人だった。
「報道などで友達から聞いた話をブログで書いたら民間人でも厳罰ということはない」とも言った。「報道などで」が文法的にどの述語にかかるか不明の、意図的まやかしが感じられる。公に報道された秘密って何じゃい?
「もっと丁寧に説明すべきだった」に至っては「反省」という殊勝そうな言葉の悪用だ。「説明すべき」も、どうせ「自分たちの正しさは主張する。でも聞く耳は持たない」と言いたいんだろう。そう悪意に解釈されても仕方ないことを自公はした。彼の国会答弁でおなじみの、その場の思いつきの羅列だ。違うと言うなら、次に上程されるであろう「アメリカの侵略戦争(=積極的平和主義)に協力する国作り」への法案審議で、野党と国民を納得させられるまで多数決を強行しないことで反省の程を示してもらおう。福島汚染水の時は「一部修正します」などと糊塗していたが、ああいう薄汚い二枚舌を使わない覚悟が今はあるのだろうから。
主権者が無視され、公僕の好きに「決められる」政治を望んで投票した人は、自公支持者にもいないだろう。