戦争法案

安倍首相が「戦争法案といったレッテル貼りが全くの誤り」と他党を批判し、「戦争に巻き込まれるという批判は的外れ」と言うことも、そしてそれにネット上などでも賛否「両」論があるのも、不思議でなりらない。【存立危機事態】などという、プロの法律家も「よくわからない」と言っている概念で範囲を意図的に曖昧にして自衛隊武力行使を認め、一方で「平和支援」と銘打って「戦争」中の他国軍を後方支援しようという案を含む11法案を「戦争法案」と呼んでどこがおかしいのか。戦争当事国のどちらか一方との一体化を念頭においていることは明白ではないか、と。
「平和安全法制」というに至っては悪い冗談としか思えん。
それとも、「巻き込まれる、などという消極的なものにあらず。積極性に戦争に加担するための法案だ」という意味で「的外れ」ですかね。
他ならぬ当事者である陸自の幹部が、「隊員が殺す、殺されるという血なまぐさい話が避けられている」と憂えるインタビューが先日報じられた。重圧がのしかかる自衛隊の現場が、また、世界に「憎しみの連鎖」を新たに生み出すことだけは絶対に避けたい国民が、今後の国会審議で得心させてもらえるとは、今までの法案の通し方からして、到底思えない。