台湾旅行09−阿里山の少数民族

(承前)

さて、阿里山までやって来た趣旨としては、森林鉄道乗車もさることながら、鄒(ツォウ)族という、少数民族に会いたかったということも大きい。漢民族がこの島に来たのは唐代とのことで、それ以前から居住していた先住民も少なからずいる。阿里山は彼らの里の1つであり、その人口は6000人ほどとされる。
〔参考〕
http://www.tsou.tw/

若い男女が、歌と踊りを披露する公演が定期的に森林鉄道の駅前広場で行われる。


陸中国雲南省あたりの少数民族の村だと、日常的に民族衣装を身にまとった人たちが、市場で買い物や行商をしている姿が見られるが、そういうのに比べると、台湾の少数民族は、彼ら自身が一種の観光資源化していて、失礼を承知で言うと、民族博物館で動態を見学しているような印象をぬぐえない。
パフォーマンスの歌や踊りの振り付けにしても、民族固有の芸能をベースにしてはいるのだろうが、現代風に(観光客が飽きないように)アレンジされ尽くされているように感じた。
彼らの日常に触れたければ、観光客で溢れるホテル街や公園区を離れ、ガイドを雇って、村深く入っていかねばなるまい。そういう旅行は、まだ先の目標である。