例の協会と「組」のカンケー

大関琴光喜を恐喝した容疑で、逮捕された古市満朝容疑者。報道では、体の故障のために土俵生活を10年で終えざるをえなかった転落力士だという。
どれほどの失意がそこにあったのか、また、暴力団の関係者を名乗っていたというが、本当に裏組織とつながりを持っていたのかコケおどしだったのか、賭博仲介役は彼以外に何人いるのか、まだ定かなことは一つもわからない。
具体的な指定暴力団の関連団体名を口にして恐喝していたらしい。もしそういう組織の名前だけ騙ってたのだとすると、その組にばれた場合、自分がただでは済まないのだから、全く関係がなかったとは思えない。


先日TBSラジオの番組『Dig』に出演した元・栃櫻(本名高橋光彌)が喋っていた「体験」を聞いても、角界暴力団のつながりは到底なくせるものではなさそうだ。高橋は、
武蔵川理事長が『膿を出し切る』と言っているが、相撲会の代表の言葉とは信じがたい。そんなことはできないし、するべきでもない。暴力団でもトップになるのはいい人。お世話になっている人は角界に限らずたくさんいる」
とまで述べていた。角界を辞めて時間が経っても、世間から隔絶した「村」で過ごした者は、容易に洗脳から抜け出せないのだということを図らずも証明していた。


相撲通のデーモン小暮閣下が「部屋持ちの師匠になるためには資格試験にパスしなければならない制度を作るべきだ」と主張しているが、それくらいで、力士らの持つ、自分たちは特別扱いされて当然との意識が改まるとは思えない。


それで、「つながり」って具体的に何なんだろう。
つまり、格闘技である以上、いつ故障や怪我で引退・転落するかわからない。中学を出て相撲一筋で来た人など、この世界でダメだったからといっておいそれと他に転身というわけにはいかず、そういう場合の受け皿になってくれる組織が暴力団であり、したがって大事にしなければ・・・・・そんな意味なのか。
そして、暴力団のほうでは、「1日でも早く入門すれば先輩」というスポーツ界の慣習を利用して、元力士の組員を相撲部屋へ送り込み、賭博への誘いを後輩が断りづらいのをいいことに、部屋を一種の鉄火場として利用した・・・・そういうこと?

「それほど持ちつ持たれつの関係なのに、野球賭博で賭けに勝ったからって勝ち金を請求するとは、琴光喜というのは何という世間知らず、いや、裏社会知らずなやっちゃ」ということで、制裁として今回の恐喝となったのか。


これから、多くの関係者への捜査、検察による立件、そして複雑な裁判へと進むのだろうが、とうてい真相はわからず、冒頭に書いた疑問も解けないで終わるような気がする。