東海にも超集中豪雨

西日本のほとんどの地域で一斉に梅雨が明けた。

梅雨の時期には、西日本から中国の華中にかけて豪雨に見舞われることは、気象学的には普通のこと。それにしても、今年は北九州、山口、広島、岐阜、そしてこの時期に集中豪雨がめったになくしとしと型梅雨の多い関東近辺にも、大被害をもたらし、何人もの犠牲者や行方不明者が出た。
梅雨前線に向かって南の亜熱帯高気圧から湿った空気が流れ込む、という現象自体は、毎年起こっていることで、それだけではこの甚大な被害を説明できない。「スーパー台風」をもじって、「スーパー梅雨(ばいう)」とでも呼ぶべきだろう。
ここ数日は、天気予報が、明日もゲリラ豪雨がどこかで何百ミリの雨をもたらすと聞かされてはどきどきする日々だった。もし風向きがもう少し東に寄っていたら、私の住む伊勢湾西岸もどんな目にあっていたか分からない。洪水も決壊も土砂崩れも、近くでなかったのは、ほんの危うい幸運だと思わざるを得ない。
この調子だと、真夏には今までにない入道雲が「スーパー夕立」が降らせるのではないか、また、秋には去年の10月の18号のような「スーパー台風」が襲うのではないかと心配で、さあ夏が来たとはしゃぐ気になれない。

菅総理が休日返上で岐阜を見舞ったようだが、手厚い生活再建支援を望む。
地震などの広域激甚災害と違って、ニュースの寿命が短いのではないか。梅雨が明けると忘れられてしまうようでは困る。少なくとも、可児市のように、行政の想定を超える事態であったことが認められれば、大震災と同様の補償がなされてしかるべきだ。家族を亡くされた方は言うに及ばず、家をつぶされた方、浸水で商売の売り物が全部ごみになってしまった方など、災害保険ではとてもまかないきれまい。
本人に全く責任のない天災への補償は、「不幸を最小に」することを標榜する菅政権なら、なおのこと力を入れてほしい。それを実現できるなら、消費税20%もいいだろう。
地方の公共交通をつぶす高速無料化や、在来線を容赦なく第三セクター化する新幹線などに当てる財源なら、現在の5%でも払いたくないがな。