TPPに反対する4つの理由

菅直人首相が「検討」を表明してから約1ヵ月、TPPという言葉がにわかに話題に上るようになった。

環太平洋地域で全物品の関税をなくしていこうと言うものだが、反対である。
農家を守るために、というのが反対理由ではない。今の農政が真の意味で農業を守っているとは思えない。

私のTPP反対理由は
1.関税撤廃で確実にフードマイレージが一気に高まるだろうと予想できるから。
CO2排出を減らすために、エコカーに乗れの、オフセットをしろの、地産地消を進めましょうのと大騒ぎしていながら、ここのところのの矛盾は、誰か説明しているのか。“温暖化対策に、あらゆら手段を講じる”のは諦めたのか

2.作物の大量流入で、いくら検査をしてもそれにくっ付いて来る外来動植物を防ぎきれないだろうから。
生物多様性を脅かすものをなくして行こうと、ほんの1週間ほど前に世界が名古屋に集ったではないか。どっちをとるのか

3.米国が本格的に日本をはじめとした「東アジア向け作物」栽培にとりかかると予想されるから。
中国産の野菜が、中国人でも富裕層は危なくて食べないシロモノであることは常識と化したが、それでも中国のはせいぜい金儲けのためのインチキ作物である。
米国は、新農薬や遺伝子組換産品の人体実験に、アジア人の使おうとしているフシがある。現に80年代に、家畜の餌にさえ混ぜてはならないポスト・ハーベスト農薬入り穀物を我々は食わされた。「そんなにアメリカのが怖けりゃ買わなきゃいいじゃないか。今は、小売店でも産地表示してあるだろう」という反論は成り立たない。外食や給食に入り込むのは確実だからだ。

4.これは本質的な理由ではないが、「報道ステーション」なんかで、ここ連日、明らかにTPP賛成へ世論を誘導しようと、みえみえなのが胡散臭い。古舘が、「加盟しないと日本は取り残されてえらいことになる」といった要因を大きく拡大してコメントするのも、いかにも怪しい。誰に言わされているんだろうと、いぶかってしまう。


日本の農業の再生のために、付加価値の高い、国際競争力のある作物を開発し栽培する方向が大事なら、それ自体を国策として打ち出し、奨励すればよい(それ自体は筆者も賛成である。それに現在も志のある農家はやって成功しつつあるらしい)。が、それを口実に、またもアメリカの都合に付き合わされるのは、反吐が出る。