石原都知事の真意

石原慎太郎が手を尽くして成立せしめた「東京都青少年健全育成条例」。都議会を通ったとたん、やつの本性が現れた。
その主旨は「ゲイがテレビに出るのが気に食わない。」
これが言いたくてこの条例を躍起になって通したに違いない。これだけではない。自分の感覚や価値観にあわない人間をわざわざ傷つける言い方で公けの場で罵倒する、やつの脳病は死ぬまで治らず、今後も今回の手法で、締め付けを強めようとするだろう。
やつの手はいつもこうだ。最も極端な事例を見せつけて、それを万事に敷衍し、具体的に詳しい事情を知らない善意の無知者(今回の場合でいうとPTAや、民主党の腰抜け)をたぶらかして、権力の拡大・誇示を図るのだ。そして、いつの間にか、ボーダーラインも取り締まりの対象に繰り入れて既成事実化するという、あのやり口だ。都の事務方は、「芸術作品には規制外」と言っているが、何の保証にも言質にもならぬ。


そして、「この世で無駄なものはババア」発言に代表されるように、石原が嫌悪を示すのは、その本人に責任を帰すことのできない属性にまつわっている。三国発言また然り。



だから、私にはわからない。

この、自分が気に食わない人間は暴力やテロで排除することも堂々と公けに肯定し、ロジックで反駁されると薄ら笑いでごまかす男の意図が、若者を健全に育てることなどではさらさらなく、表現・言論の締め付けへの布石としてごく一部のエロ漫画を利用することだと、なぜ都議会議員の多数は気づかないのか?
また、夜郎自大で卑怯な政治家をのさばらせておくほうが、はるかに「青少年の健全な育成」のためによくないということが、なぜ東京都の有権者の多数は理解できず、何度も知事にしてしまうのか?
そして、心理学者・社会学者は、ネットの普及と非行・犯罪の因果関係を調べる前に、石原的論理で自分を正当化して殺人や傷害に走った刑法犯がどれくらいの率でいるか、なぜもっと実証的に調査しないのか?

わからない。