“御大”小松左京

いわゆる日本の「SF御三家」のうち、星新一さんは早くに夭逝し、おとといには小松左京さんが亡くなっていたことが報じられた。あとは筒井康隆さんに永く活躍を続けて欲しいところ。
作家仲間から「御大(おんたい)」と呼ばれて親しまれた小松さんの作品は、社会派の作風が多く、読み応え・スケールの壮大さで、他の追随を許さなかったと思う。
いわゆる“この道一筋のスペシャリスト”が異様なまでに高く評価される日本にあっては珍しい一流ゼネラリストでもあり、そういう意味で、去年(やはり7月だった)亡くなった梅棹忠夫先生のとき同様、惜しい人を亡くしたという感が深い。
しかし同時に、本人がずっと懸案にしていたと言う『日本沈没』の続編(第二部)も仕上げ、80年の生涯で、十分すぎるほどの作品を遺していったとも思う。
まさしく、巨星が「沈没」した。でも彼の人類文明を鋭く見る目が誰かに継がれる「復活の日」を待ちつつ、しばし「さよなら最高神(ジュピター)」…