時事>訃報

川島なお美(54)

私の手元に2冊の写真集がある。 1冊は『WOMAN』。川島なお美 三十路 間もない頃の白い裸身が写っている。 もう1冊は、同じ人物の、まだ丸顔で少女の面影が残るアイドル時代のミニ写真集。 そのどちらを買った時も、こう早く、その被写体の訃報を聞く…

ドイツ元大統領 R・ワイツゼッカー(94歳)

ドイツはかつて 国民が最高権力者に全権を託し、歴史的過ちを犯した反省から、実権なき「象徴大統領制」をとる。若干の拒否権は持つようだが、ほとんどは任免など、天皇の国事行為と同様の仕事にとどまるとされる。 “(世襲でなく)選挙で選ばれる象徴的元首…

逆転のゼネラリスト・赤瀬川原平さん

新聞の訃報を見て、「ああ、あの人の肩書は《前衛芸術家》だったのか」と初めて知った。そして、その肩書一つしかないのか?とちょっと不満に感じた。「作詞家でエッセイスト」とか、「演出家兼俳優」とか、2つの肩書を併記する人物は珍しくないのに、原平…

ロビン・ウィリアムズ−−−あの笑顔も越えられなかった何か

11日の自殺の第一報を、どういうわけか私は見落としていて、15日の、パーキンソン病にかかっていたことを奥さんが明かしたとの報道で初めてその死を知り、驚いた次第だ。 ガープにスカッとさせてもらい、ミセスダウトに笑わせてもらった。しかし何と言っても…

ネルソン・マンデラ(95)

多くのニュース、記事、社説、コラム等で採り上げられた訃報だから、マンデラの成した仕事については、もう多くを語るには及ばないだろう。思想犯として投獄の憂き目、失わない自由への理想、苦闘の末の大統領の座、ノーベル平和賞の栄光、と、彼の一生のど…

天野祐吉名人

20日付け朝日新聞の「ニュースの本棚」というコーナーに書かれた文章を読んだばかりだったので、「え!? あの天野さんの訃報?」と大変驚いた。 広告というものを、単に商品を消費者に知らせる宣伝としてでなく、世相や人間の本質を強く映し出すテキストとし…

やなせたかしさん(94)太陽に

大正8年、高知県生まれ。 30歳代にビールの広告漫画で世に知られだし、48歳『週刊朝日』の懸賞に応募した漫画が入賞した。終生の代表作「アンパンマン」を生み出したのが50代、ブレイクは遅い方と言えよう。 私自身がやなせさんの姿を初めて見たのは1967年…

藤圭子

私が小学生の頃に脚光を浴び始めた歌手で、その歌は私よりやや上の世代の人がよく聞いていた。子供心に、美人で、かっこいい声の人だな…と思ったような記憶がある。実際、同じ年齢の頃の宇多田ヒカルより、ずっと奇麗だった(ヒカルさんとそのファンには、失…

田端義夫(94)

田端義夫氏が94歳で逝去した。 1919年、松阪市出身で、私と同県人。父が、ソノシートという今では絶滅(多分)した形態の音盤で 田端の歌を持っていて、「ズンドコ節」などは、軽快な子供でも楽しめる歌だったから、借りて聞き込んでいた。「大利根月夜」「…

大鵬が逝った

彼が新入幕した1960年に生まれた私も、ご多分に漏れず、大鵬のほうが、ちょっと仏頂面の故・柏戸より好きだった。 彼のお父さんの故郷がウクライナだったことは、近年 多くなった東ヨーロッパ出身の力士たちにとっても、ひょっとして どこかで心の支えになっ…

小沢昭一

小沢昭一さんが逝ってしまった。 彼が一人語りをするラジオ番組を、その初期のころ、私は中学生のくせに生意気に楽しんで聴いていた。その頃も晩年も、切り口・語り調子ともに、ほとんど変わらず、若いうちに完成度の高い小沢節を作り上げていたんだな、と感…

“御大”小松左京

いわゆる日本の「SF御三家」のうち、星新一さんは早くに夭逝し、おとといには小松左京さんが亡くなっていたことが報じられた。あとは筒井康隆さんに永く活躍を続けて欲しいところ。 作家仲間から「御大(おんたい)」と呼ばれて親しまれた小松さんの作品は、…

ピーター・フォーク(83)

『刑事コロンボ』は面白かったなー。 犯人が誰であるかも、どんなトリックを使うかも、初めから殺人現場を見せて視聴者に教えることでいわゆるミステリー性を排除し、犯人にどう尻尾を出させるか、に絞った構成も斬新。また、立場的には一公務員で、自分が納…

田中好子

雲南旅行から帰って来たらスーちゃんがいなくなっていた。帰ったその日の夜のニュースで、彼女の遺した録音の肉声を聞いた。 「もっと女優の仕事がしたかった」 “普通の女の子に戻る”ことを望んで引退した3人だったが、普通のおばさんになるのは無理だった…