エルピーダメモリが会社更生法適用申請

エルピーダメモリが自力での再生を断念した。来月には上場廃止となる。

十何年か前だったと思うが、半導体の世界シェアで韓国が日本を追い越したときは、大きな話題となった。その後、電機大手各社が、DRAM部門や子会社を統合し、合理化して存続させるべく2004年に発足した会社だった。いわば、採算のよくない部門だけを新会社に押しつけたようなもので、半導体メーカーが日本に1つもないという状況を避けるために作られた企業のような気がしないでもない(従業員の方はごめんなさい)。

技術力による差別化の図りにくい製品だっただけに、新興工業国の追い上げには苦しんだ。

円高の定着と、加えて、歴史的なウォン安が決定打となったのだろう。

しかし、半導体そのものの製造では韓国が席捲した今も、その半導体が使い物になるかどうかをテストする装置は、依然、アドバンテストが世界シェアトップであり、東京エレクトロンが手がける半導体製造装置やプローバーのシェアも高い。

意地の悪い言い方をすれば、DRAMなどは、韓国程度の技術力の国で十分作れる時代になったのだ。言い方を変えれば、汎用半導体くらいなら、がんばれば日本に勝てるから、というので、政府が財閥にテコ入れして、集中的に大量安価生産を国策とした面がある。
今回の経営破綻は、日本の第2次産業は超ハイテク製品の多品種少量生産で生き残るべし、というずいぶん前に浸透したテーゼを確認したに過ぎない、と言えよう。

さほど驚くには値しないニュースである。