大鵬が逝った

彼が新入幕した1960年に生まれた私も、ご多分に漏れず、大鵬のほうが、ちょっと仏頂面の故・柏戸より好きだった。
彼のお父さんの故郷がウクライナだったことは、近年 多くなった東ヨーロッパ出身の力士たちにとっても、ひょっとして どこかで心の支えになっていたかもしれない、などと連想する。
長嶋が「Mr.ジャイアンツ」なら、大鵬は「Mr.ヨコヅナ」と呼びたい。「優勝回数32」の大記録もいつの日か、誰かに破られるかも知れないが、しかし大鵬ほど純粋に、相撲ファン以外の人も心酔させるヒーローは、もう、信頼を泥だらけにした今の角界からは出ないんじゃないかな…と思うと、そのことが彼の魂に気の毒だ。
【参考】2010.6.24付拙文