「恥をかいた」のはどっち

帰国した浅田真央選手が、海外特派員協会の記者会見で、森喜朗発言について質問され応えた言葉:「私は何とも思ってないんですけど、森さんの方が今、後悔しているのではないかと思います」
つまり、「私は“大事な時にいつも転ぶ”とは限りませんよ、ということは演技で示しましたよね」という確認に加え、同時に「団体戦での転倒が尾を引いたらかわいそうだ」という森会長の言葉――浅田選手を気づかっての発言だった、という少数意見の根拠もここにあったみたいだが――に対しても、「最後の種目まで見てから、ものを言った方がよろしいですよ」とやんわりと刺し返した形だ。
16位から、フリー種目での10人ゴボウ抜き急浮上(これ、世界新らしい)で、そう刺し返す資格を勝ち取った彼女は、それでも、そんなズバリの反論は使わず、ソフトなユーモアで居並ぶ記者たちの 爆笑と 拍手を誘った。なんとまあ、オトナですね〜!! これで森会長は完全に彼女の引き立て役になった。
浅田選手、氷上の演技は軽やかだけど、言葉は実に考え抜かれて重みも厚みもある。それに引き換え、森は元最高権力者のくせに(だけに、というべきか)堅太りだけど言葉はヘリウムのよう。
昨日の会見で、いっぺんに真央ちゃんに惚れてしまいましたよ。