飴細工屋さん

釜山の南浦洞で見かけた、飴ざいくの屋台。

客(大部分は子ども)は1000ウォン払い、ダーツの矢を1本、受け取る。それを回転するダーツ盤に投げ、刺さった箇所に書いてある動植物などの形をした飴を、店主が作る。
黄色と茶色の2色の飴をやわらかく溶かしたのが、鉄板の上で固まらないうちに、形が整えられる。出来上がったものを客はもらう。
「鳥」のような比較的単純な輪郭の具象は、ダーツ盤の広い範囲を占め、もっと複雑な形のものは狭く書かれている。複雑なものは作るのに手間だし、大きめに作らないとそれらしく見えないから、飴もたくさん要る。客から言うと、値段は同じで、当たりにくい場所へ矢を当てたほうがトクなわけだ。ダーツを投げる段階で、子どもたちはささやかなギャンブル気分も味わえる。

うしろで見ているだけでも楽しませてもらえる。原料代はたかが知れたもので、また客は引きも切らないようだったから、いい儲けになるとみた。規模は零細だが、ショーバイに欠かせぬ「付加価値」の何たるかを教えてくれる、アイディア・ビジネスだ。