1.すし

韓国でも、日本式料理(일식)は、飲食文化の一ジャンルを占めていて、そのファンもいる。일식の一つに초밥がある。
「초밥」の名で売られているものの多くはいわゆる盛り合わせ寿司だ。十数個のいろいろな寿司が詰め合わせてある点は日本と変わりないが、「軍艦巻き」が占める割合が多いように思う。マグロ・白身のように1種類のネタを使った、正統派のいわゆる「にぎり」のほうがかえって肩身狭そうに、軍艦巻き軍艦巻きの谷間にはさまれて並んでいる。
そして、軍艦巻きは1個1個が、例えば烏賊+ウズラ卵というふうに、複数の具を組み合せて海苔で周りを巻いたものがあることは日本と同様だが、その色といい種類といい、なんか日本人の目にはケバケバと、どギツい。
黄・赤・緑…と、原色に近い色の食材を一食の膳の中に取り揃えたがるのは、食における「五色思想」の影響か。
そして、どうしても、一口食べるごとに多数の具材をいっぺんに口へほうり込まないと気がすまないのは、ピビンパがはぐくんだ文化だろうか。

改めて、日本の料理は、色彩を含んだ「見た目」に関して、素材本来の自然のままを大事にしている(韓国人の目には、地味?)なーと思う。
米国へ輸出されたSushiが、カリフォルニア巻きに代表されるような、かの地独特のものにアレンジされて普及したように、やはり韓国の초밥は、日本料理を土台としつつも、あくまでコリアン・テイストだ。