ロビン・ウィリアムズ−−−あの笑顔も越えられなかった何か

11日の自殺の第一報を、どういうわけか私は見落としていて、15日の、パーキンソン病にかかっていたことを奥さんが明かしたとの報道で初めてその死を知り、驚いた次第だ。 ガープにスカッとさせてもらい、ミセスダウトに笑わせてもらった。しかし何と言っても…

〈従軍慰安婦問題と朝日新聞〉問題

朝日新聞の、自社がかつて従軍慰安婦を報じた記事の真偽を総括する二日がかりの特集を読んだ。 “論じるべきは「従軍慰安婦制度そのもの」であって、誤報を必要以上に論じて核心を見失うことのないよう、大所に立った検証を” といった趣旨の意見を小熊英二氏…

従軍慰安婦と朝日新聞の問題を越えて

朝日新聞の、自社がかつて従軍慰安婦を報じた記事の真偽を総括する二日がかりの特集を読んだ。 “論じるべきは「従軍慰安婦制度そのもの」であって、誤報を必要以上に論じて核心を見失うことのないよう、大所に立った検証を” といった趣旨の意見を小熊英二氏…

破壊兵器で儲けたい?−−−ウクライナ、イスラエルのニュースから感じる「ニーズ」

先週木曜に起きた、マレーシア航空機撃墜。「原因究明最優先」を主張する国際世論をよそに、関係国は非難の応酬。案の定、原因調査に対して露骨な妨害工作も起きたと報じられている。こういう場合に調査妨害した側は、それだけで無条件に 共犯と見なすという…

AKB48握手会で斬られる

先日登った東京スカイツリーも、エレベーターの前でバッグ検査をしていた。口を開けて、1、2秒、係が上から覗くだけ。空港のように、ベルトを外せ、靴も脱げ、ときては鬱陶しいが、ハイジャック防止ならいざ知らす、大きな凶器を持ち込ませない目的なら、…

ピーチ航空、海面異常接近

ピーチの関西―ソウル便を今月末に利用する。最安値で片道4千円はやはり魅力だし、2時間弱のフライトにはなまじっかな機内食も映画も余計だから。 ところが、3月には予約がとれて安心していたのに、先週になって「予約便のうちの帰りの便が飛ばないことに…

国賓オバマ

日米首脳会談は共同声明も出されず、また安倍が何度「バラク、…」と呼びかけても、あくまで「プライムミニスター・アベ」で通した大統領。 その昔、中曽根とレーガンが「ロン」「ヤス」と呼び合ったのとは好対照だった。やはり今のアメリカは、アジアの撹乱…

白いままの紙切れを箱に入れるために投票所へ足を運ぶ人たちの気持ち

昨日行われた大阪市長選のような場合、もし自分が大阪市民だったらどういう行動をとるべきか考えた。 今までなら、投票所には行き「候補者の中に適格者ナシ」と書いて箱に入れるのを正解と考えていたと思う。しかし何か文字が書いてあると、主権者としての考…

「恥をかいた」のはどっち

帰国した浅田真央選手が、海外特派員協会の記者会見で、森喜朗発言について質問され応えた言葉:「私は何とも思ってないんですけど、森さんの方が今、後悔しているのではないかと思います」 つまり、「私は“大事な時にいつも転ぶ”とは限りませんよ、というこ…

“物語性を売る”ことについて

浅田真央選手と、その十八番・トリプルアクセルを、朝日新聞のオピニオン欄で論じた増田明美(今はスポーツジャーナリスト)と末國善己(文芸評論家)が、申し合わせたかのように、彼女を宮本武蔵に喩えていたのが興味深かった。勿論、別々にインタビューした…

あまいもの

私、両刀使いだ。 この比喩表現、いつ頃から使われ出したのか(もう一つ別の意味の比喩もあるが、それも含めて)知らないが、1981年の鈴木清順監督へのインタビュー記事に出てくるので、当時もう普通に広まっていた言葉だろう。で、監督同様、酒も甘いものも…

安倍、NHKにすごいエール?

安倍首相が国会で「NHKは政治的圧力を跳ね返してほしい」と言ったそうだ。 前回政権を投げ出す前(官房副長官時代)に、中川のネズミとともにNHKの幹部に圧力をかけて忖度させ(裁判の判決文)、放送予定の従軍慰安婦問題を扱ったルポ番組の改変事件を引き起…

北朝鮮、軍事裁判で、張成択を「反革命」で銃殺刑

かつて故・金正日総書記も、おじにあたる金英柱が邪魔だと言うので追放し最高権力を握った(金英柱はのちに復権)。独裁者三世もこれに倣ったのかどうか、義理のおじにあたる張成択を失脚させたな、と思っていたら、きのう死刑に処した。 権力闘争で叔父殺し…

ネルソン・マンデラ(95)

多くのニュース、記事、社説、コラム等で採り上げられた訃報だから、マンデラの成した仕事については、もう多くを語るには及ばないだろう。思想犯として投獄の憂き目、失わない自由への理想、苦闘の末の大統領の座、ノーベル平和賞の栄光、と、彼の一生のど…

13.12.10

晋三調 全開

安倍首相の「今ある秘密の範囲が広がることはない」にはあいた口が塞がらなかった。「スパイ天国の汚名返上や、米国から情報をもらう」のはやめたのか、と考えてふと気づいた。そうだ、首相は「福島の汚染水は完全にコントロールされている」と世界中の人の…

【特別な感情を持っておりません】

塩月弥栄子の『冠婚葬祭入門』は1970年の書籍売上1位になったミリオンセラーである。続編も出され、シリーズ化した。 1冊目あたりは書名通りの通過儀礼マニュアル的な内容だったが、続、続々、と出るうちに悩みに答えます みたいな要素も増した。「男性に…

天野祐吉名人

20日付け朝日新聞の「ニュースの本棚」というコーナーに書かれた文章を読んだばかりだったので、「え!? あの天野さんの訃報?」と大変驚いた。 広告というものを、単に商品を消費者に知らせる宣伝としてでなく、世相や人間の本質を強く映し出すテキストとし…

やなせたかしさん(94)太陽に

大正8年、高知県生まれ。 30歳代にビールの広告漫画で世に知られだし、48歳『週刊朝日』の懸賞に応募した漫画が入賞した。終生の代表作「アンパンマン」を生み出したのが50代、ブレイクは遅い方と言えよう。 私自身がやなせさんの姿を初めて見たのは1967年…

伊勢号復活

何十年も前に、三重県の鳥羽から東京へ走る急行「伊勢」があった。寝台車を連結し、途中の多気では南紀方面から来た那智号と併結し、亀山と名古屋で2回進行方向を変え、首都を目指した。名前が「紀伊」号と変わり、72年に鳥羽発は廃止されて紀伊勝浦−東京の…

藤圭子

私が小学生の頃に脚光を浴び始めた歌手で、その歌は私よりやや上の世代の人がよく聞いていた。子供心に、美人で、かっこいい声の人だな…と思ったような記憶がある。実際、同じ年齢の頃の宇多田ヒカルより、ずっと奇麗だった(ヒカルさんとそのファンには、失…

高山

これまでJR高山本線には5回乗ったが、うち2回は富山―岐阜間の直通列車だった。 高山駅で乗り降りした3回のうち1回目は自転車旅行で、安房峠から駆け下って来て駅に着くや慌ただしく大阪行き急行に輪行した。2回目は途中下車で、1時間ほどの乗り継ぎ…

一条さゆり #2

31日に見た演劇の印象が生々しいうちに、と、ネットで索ってみて、えっ!?と思った。水族館劇場の女優で、若い一条を演じた鏡野有栖は、プロのストリッパーでもあり、そっちは芸名を1文字変えて「鏡乃有栖」名義で出演しているという。 ゆうべの劇の最後の方…

一条さゆり

今年8月5日は“伝説のストリッパー”一条さゆりの17回忌。劇団「水族館劇場」は以前から彼女をモチーフにした演目を打っていたが、その最終改訂版と銘うって、静岡→福岡→三重→京都→大阪と、上演ツアーの最中だ。 三重県は津の四天王会館での上演日に当たるゆ…

東アジア反目時代に区切りを

まもなく、(27日)朝鮮戦争休戦協定から丸60年。韓国版“戦争を知らない子どもたち”が還暦を迎える時代が来る。 1953年7月はまた、日本政府が、“竹島をなぜ日本領だと考えるか”についての国際法上ならびに歴史的な根拠を、韓国側に初めて明確に示した月でも…

世界遺産としての富士山

富士山といえば、漱石の『三四郎』で、広田先生が「不二山をはじめ、自然を翻訳すると、みんな人格上の言葉になる。翻訳出来ない者には、自然が毫も感化を与えない」と言っている。そこで、作者の分身と思しき広田先生にインタビューを敢行した。 「信仰の対…

大阪府警の調書でっち上げと、裁判での偽証

勾留中の男性に対してとった処置がまずく、バレると処分されるから、というのがでっち上げの理由だと。しかし、その男性が暴れて手がつけられなくなったのは事実であり、まずいといっても、たかが手続きミス。それを隠すために、なぜ判事まで騙す必要があっ…

第5回アフリカ開発会議

スウェーデンの国際平和研究所が 「中国は、核保有5大国の中で唯一、核兵器を増やしている」と発表。 その中国、シンガポールでの安全保障会議では 「我が国は平和を愛する。軍が周辺国に挑発的行為をしたことはない」 と講演し、フィリピンやベトナムなど…

書評『インパラの朝』中村安希 著

本書を手にして評者(私)が最初に開いたのはカバーの見返し。つまり著者近影だった。色白でショートヘアの中村さんは、多くの男が美人の範疇に入れるであろう涼しい目鼻立ちの奥に、どことなく近寄りづらい雰囲気をごく微妙に漂わせた女性、という印象だっ…

田端義夫(94)

田端義夫氏が94歳で逝去した。 1919年、松阪市出身で、私と同県人。父が、ソノシートという今では絶滅(多分)した形態の音盤で 田端の歌を持っていて、「ズンドコ節」などは、軽快な子供でも楽しめる歌だったから、借りて聞き込んでいた。「大利根月夜」「…